以前、西表島の赤い虫のことを匂わせていました。
西表の赤いそれはなかなかいいカミキリなので、思わずもったいぶってしまいました。そのときの話をします。
カンピレーの滝と船着場との間の林道(とはいってもほぼジャングル)を、採集に疲れ一人とぼとぼと歩いていると、視界の隅に一瞬赤い点が映りました(心拍数、まだ平常)。
んん?
ちらっと赤が見えた位置まで1、2歩後ずさり、その点に目を凝らしてみました。が、遠すぎて私の肉眼では虫かどうかは判別は不可能でした(私の視力は2.0。それでもそれが何か判然としないくらいの遠さ)。この時期、西表の森には赤い葉っぱはあまりないので一応確認をとる必要がありそうです。
しかし、その確認のためだけにわざわざ薄暗い茂みの中に7、8メートルも入りたくはないのです(サンダルだし、短パンだし、上半身裸だし・・・ひどい格好でした)。
ちっ、めんどくさいなぁと思いつつも、念のためデジカメを取り出します(このときは、NikonのCOOLPIX S4を使っていました。これは光学10倍ズーム)。10倍ズーム(+デジタルズームも使ってだったかな?)で画面を覗き、それが何かを確認してみようということです。遠くにいて肉眼で判然としない生き物の確認には10倍クラスのズームは重宝しました。視力が2.0でも、機械の10倍ズームには歯が立たないのですね。哀しいですね。
***ズーム中***
・・・
なんか虫っぽい。
いやいや、まさか。
あの虫なはずはない。聞いた話ではGWあたりの虫なはず。今は6月の中旬。
しかし、いやまさか。ぬか喜びほど悲しいことはないぞ!と自分に言い聞かせました。
***
でも、下のデジカメの画面を見てください。
「喜んでもいいかもしれん・・・こんなとこに・・・まじで・・・」と、心拍数が急上昇。
シダの葉の重なりから目に入ってきたこの赤。こんな虫・・・これまでの脳内リストにはなし(ベニツチカメムシくらいでしょうか、でもベニツチカメより縦長なのよ!)。
気合いで空回りしないよう深呼吸して藪の中へ下りていきました。肉眼でもはっきり見えてくると、ようやく安心して喜びました(笑)
計3匹ゲット!
1匹は一緒に旅行に来ていた先輩に差し上げたので今は2匹残っています。
これはベニボシカミキリの少し遅い時期の採集記録になるかと思います(2006年6月16日)。
発生木のはずなので、西表に住んでいたら、タコ採れできたでしょう。あー・・・
こうやって♂が枯れ木に陣取り、♀を待っているのですね。
いつかまたベタベタくっついているのを発見したいものです。
おわり