ウジが「わく」とはよく言ったもので

※一般的にはとても気持ち悪い画像と動画です。気をつけて。
















黄山の噴火の影響で死に、流れ着いた川魚たち。



臭すぎる。においが、鼻に、眼球に刺さる。
息を吸いたくない。
ここの空気を肺に入れたくない。死に近付きたくない。ここからすぐ離れなければ、と思わせる重い空気がありました。



そんな魚の死骸の一箇所に、何か違和感がある。
このかたまりは?


ざわ・・・

ざわ・・・ざわ・・・

鳥肌が立つ。思わず仰け反る。
夥しい数が、もぞもぞ湧いていました。



この状況になるまでにほんの数日です。21世紀の日本の片隅でもこの状況が生まれてしまうくらいに、ハエの再生産スピードは速い。


ハエにとっては膨大な資源が突如現れた状況で、パラダイス。
一気に襲いかかったんでしょう。
ウジ虫の動きから感じられた、切羽詰まった感には、それだけ、自分たちの食料が時間的に限られたものであることを物語っているようでした。




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追記。

このしばらく後、ひめゆりの塔沖縄県糸満市)に見学に行きました(200402 木)。そこで流れていたおばあの体験談を。



患者である兵隊さんの身体にウジがわき、取っても取ってもきりがなかった。

兵隊さんの耳の穴にウジが入ってしまうと、もうどうしようもなかった。痛い痛いととても苦しむのよ。

ウジ虫ってね、這う音がするんですよ。


という語りがありました。
実際にこの目で、死骸を覆いつくす量のウジ虫を見ていたからこそ、おばあの体験談は強く刺さりました。そうなるんだなと納得がいく。


電気のない、充分な医療など到底行うことなどできない暗く狭いガマ(ほら穴)で、次々と運ばれてくる兵隊さん。腕がなかったり、足がなかったり、顔面がなかったり、身体の一部がない兵隊さん。その身体にわくウジ虫。飛び回るハエ。充満する人間の作り出す腐敗臭。やまない呻き声。そこにまとわりつく沖縄の夏の熱気。見守っている自分もそうやって苦しんで(死んで)いく可能性が極めて高いこの現状。



ただ気持ち悪い・・・で目をそらせて終わらせず、この魚たちを人(自分)に置き換えることができたとき、我々にも戦争が少しだけリアルに浮かび上がってくる。
戦争を体験していなくても。





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おわり