邂逅の森を読んで

熊谷達也 の「邂逅の森 (文春文庫)」を読みました(2/25)。(文藝春秋BOOKS 株式会社文藝春秋が刊行する書籍・電子書籍のサイト


マタギの話です。対アオシシ(カモシカ)、対クマにおける命のやりとりの描写が天下一品。
とてもいい小説でありすた←「ありすた」はマタギ言葉。



***これに関連して***

2004年、北海道・中札内村日高山脈山岳センターhttp://www.pref.hokkaido.jp/kseikatu/ks-bsbsk/bunkashigen/parts/1135.htmlに連れて行ってもらいました。その中にあった展示の一つに、私は大変ショックを受けました。それは1970年に福岡大学ワンダーフォーゲル部が見舞われた事故。「福岡大 ワンダーフォーゲル部」の検索でいくつも記事が出てきますので興味のある方は調べてみてください。
熊に襲われながらも死ぬまでに書き残した手記からは、その時の恐怖がありありと伝わってきます。



今回YouTubeでもドキュメンタリー映像を見つけました。当時の映像で見られるなんてありがたいことです。私は山でも結構軽率な行動をしたりもするので、また改めて身にしみました。




***(3/2追記)***
7月28日、遭難したメンバー達の救助隊が編成された。だがハンターたちが発見したのは3人の変わり果てた遺体だった。着衣は剥ぎ取られ、裸にベルトだけが巻かれている状態だった。顔半分がなかったり、腹部から腸が引きずり出されるなど、目を背けたくなる光景だった。
 検死結果によると、3人の死因は「頚椎骨折および頚動脈折損による失血死」であった。致命的な傷は首、顔、股間の3点に限られる。3人はいずれも逃げている最中に後ろから臀部を攻撃され、うつぶせに倒れたところを臀部や肛門部を噛み切られたものと見られた。
 悪天候により3人の遺体を下ろすことが出来なかったため、八ノ沢で荼毘に付され、遺族に遺骨が手渡されることとなった。
福岡大ワンゲル部・ヒグマ襲撃事件より引用。
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頚椎・・・「けいつい」。脊椎(せきつい)の上部、首の部分
臀部・・・「でんぶ」。尻のこと。
うつぶせに倒されて、臀部を噛み切られる・・・想像を絶する恐怖です。
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おわり