ジュラシックパーク、ありえる。

気づけた。これは相当うれしかったエピソード。




野生のカメは、人間に気づくとトテトテ逃げていくのですが、この子は違っていました。

与那国島で見つけたヤエヤマイシガメ。



逃げ損ねた感じか、そこでうずくまってしまった。

これは、「最後に」ひっくり返したときの写真。陸ガメです。




で、




カメの甲羅の写真を撮っていたときに気がついた!





鼻の頭に異物が・・・





しゃがみこんで見てみると、小さな「異物」は生き物。見て分かるように





一瞬蚊が何をしているのかわかりませんでした。だって、蚊さん、これは亀だよ。亀ですよ。





でも、やっぱりこれは、血を吸っている。
この瞬間まで、蚊がカメから血を吸えるということを想定も想像もしておらず、森の中、1人感動に震えました。





地面に這いつくばって撮影。蚊の腹が赤く膨れていく。




しばらく観察していると・・・



げ!

カメの腕に別種の蚊までやってきた。




この黒いカは、私が普段よく血を吸われてるやつにそっくりに見えたのですが、初め腕にとりつき・・・口が刺さらないもんだから、腕から徐々に顔のほうにやってきました。最終的に亀の目の下から吸っていました。




顔面でパーティが始まってしまった。
蚊はカメからも血を吸うことができる。ただし、それは鼻腔などの粘膜からである。





カメは私がいるから一歩も動けず。すみません。痒かったかな。






わたしは蚊が亀(爬虫類)から血液を吸うのを見て、映画『ジュラシックパーク』(1993年公開)を思い出していました。あれは、蚊から恐竜のDNAを取り出し、現代に恐竜を蘇らせるという発想で成り立たせていた物語。
琥珀(こはく)に閉じ込められた蚊が、恐竜時代を生きていれば、その蚊の腹の中には、恐竜の血が入っているでしょ、という。
映画公開当時、あの世界観や映像にはものすごく感動したけれど、小学生の私は「まてよ?蚊ごときが分厚い恐竜の皮膚からどうやって血を吸えるっちゅうねん!!だまされんぞ」とも思っていました。所詮は映画である。設定の無理はさらっと流すなぁと。しかし、こうやって実際にカメの血を吸う蚊を目の当たりにすることで、1993年に植え付けられたまま、どこかで引っかかっていたもやもやが、クリアに吹き飛びました。






もう一点、興味深かったのは、これらの蚊が私(哺乳類)のほうに寄って来なかったという点です。
蚊が人を無視かよ!
蚊を撮影しながら実に不思議な感覚に陥りました。
南の島の暑さで汗をかき、しかも目の前の光景に興奮してハァハァ言っている人間がいるのに、完全無視!私は普段、蚊に食われやすいほうなので、ますます???でした。この蚊(与那国島の人里からも離れた森の中の蚊)は人間よりもカメ(爬虫類)の血を好むのか??というか人間を認識できてない?いろんなことが「?」






最初2匹でいた色鮮やかな蚊はキンパラナガハシカ(日本動物大百科より)。
黒いほうはヒトスジシマカ



2008年7月 沖縄県 与那国島 カ 蚊に血を吸われるカメ




タグ: 爬虫類 吸血




おわり