アオタテハモドキ


アオタテハモドキのオス。2006年6月。西表島
南の島って感じがします。南の島の海色の翅だからだろうか。マッチしている。

そうそう、インドネシアにも日本にも同じ種のチョウがいました。
もちろん寒いところなど、このチョウの住めないところはたくさんありますが、(プチ)コスモポリタンという扱いでもいいでしょう。


オス。2004年9月。西表島


このチョウチョ意外と小さくて、最初に標本で実物を見たときには、こんなに小さいのかという感想を持ったことを覚えています。日本では南の島でそこそこ数は見られますが、鹿児島本土では迷チョウで時々見つかる珍しい種です。



このチョウには面白い特徴があって、メスには歴然とした高温型と低温型というものが存在します。
成長するとき(幼虫のとき)に気温が低ければ(日照時間が短ければ)低温型というタイプの羽の模様を持つチョウになり、気温が高いときに成長すると高温型というタイプの翅を持ったチョウになるということです。経験的にも、例えば日本では夏には高温型のメスしか見ませんが、秋になると低温型のメスばかりが出てくるといった感じです。



低温型。2004年11月に羽化させたアオタテハモドキのメス(奄美で採集した母チョウに卵を産ませて飼育した)。



高温型。2004年9月。西表島。これもメスですよ!高温型には青い部分が出ない。


ただ解せないのが、次に示すインドネシアで見つけた低温型メス。赤道直下の海抜100メートルくらいの場所です。日本で低温型ばかりが見られる晩秋のように寒いわけがない。太陽の出ている時間も日本の秋のように短くはない。真夏のような日差しの中での低温型でした。



低温型。2008年11月。インドネシア


一口に低温型、高温型といっても、その中での変異も大きいので、いろいろなパターンが見られます。


おわり