マイマイカブリ は後翅(後ろ羽)が退化している。前翅も左右がくっつき、飛ぶことのできなくなった変な虫。というのは虫好きには有名な話。しかしそれを実際に見たことがある人には会ったことがない。わたしも確かめたことがないままで、なんだかずっともやもやがあったのでした。で、確かめてみることに。
お亡くなりになったマイマイカブリ の腹部と翅との間に針を入れてみると、ペコっと離れる。ここまではなんの問題もない。
身体がちぎれないように手加減しながらオープン。ぱっと見、後翅はない。
おそらくこれが退化した翅。まだこんな大きさで残っているんだなぁ。思っていたより大きい。
退化した翅と皆言うが、進化した翅とも言える。
長さ3mmほど。
ウィキペディアのマイマイカブリ のページには、「糸状に退化している」と書いてあるのだが、、、適当情報でしょうか。
さらに。
前翅のくっついている状態を知るために、左右を剥がそうと試みる。すでに上のこの写真では真ん中くらいまで左右が分かれています。力をかけると、写真の左のほう(小楯板というパーツのほう)からスーッととれていく。左右の翅の接点に溝があって、その溝にみごとにはまっている感じ。
一旦分かれだすと、きれいに割れてくれました。
マイマイカブリ はこのように、たしかに飛べない虫。飛べないということは移動範囲に制限がかかるので、日本の中でも地理変異の大きな種です。
どこかにまだ知られていないへんてこな個体群がいたりして。。
かつては飛んでいた種が、飛ばない種になったという不思議。虫と触れ合う醍醐味のつまった種です。
Damaster blaptoides Kollar, 1836
Japanese ground beetle
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おわり