げげげげげーーーーー!
(振り返る)
ふぁっ・・・
「ドライバーさん、とっ、停めて!」
***
時速100kmほどは出ていたでしょうか。
荒野に伸びた道路脇に、3羽ほどのきれいな緑のインコが降りてきていました。
そのインコらが、なぜか車のほうに飛び出してきたのです。
もぐったか!?と思いすぐに振り返ると、ふわっと黄緑色の羽がいくつも舞い上がりました。
あちゃーと思いつつも、駆け寄る。一羽のインコが落ちていました。
無念。
右の土のところから飛び出してきた。
こんな小さなインコ。でも、死んで・・・なかった!
口から血を吐きぜえぜえ言ってますが生きている。
一度、羽毛上を小型のシラミバエが這いました(シラミバエ・・・普段は羽毛にもぐりこんでいる。鳥獣に寄生して生きる。特殊な形をしており、平べったく脚はごつい)。一瞬ちらっと見えただけ。
それにしても、この不幸を喜びたくなるほどに美しい小鳥でした。
かろうじてはばたけましたが、すぐ墜落。おそらく長くはもたなさそうでした。仲間の一羽は何度か様子を見にもきていました。私にとっては間近で観察できたのでこの上ない機会にめぐり合えたわけですが、やっぱりかわいそうなことをしました(轢いたのは現地のドライバーだけど)。
散っていた羽はお土産に。
120119
おわり