ヒグラシのオスの腹部の味わい方


この個体を観察しました。2018年7月。

この日は、ヒグラシの声のシャワーを浴びたくて、お気に入りポイントへ行きました。そこで、夕方16時頃から20時頃までただひたすらに耳を傾けていました。
たまには人間の出す音を完全にシャットアウトして、自然の出す音にだけふれていたい。だからこそ、人里からは離れてみました。そこでは私のリラックスタイムを邪魔する人工の音は届かないと思っていました。・・・のに〜、人間の気配は自分のみという環境のはずだった・・・のに〜。
突如として何度も、文明の音に邪魔をされました。







それは、上からやってきました。








飛行機。。。








車の音も街の音もしない山の中を選んだからこそ、上空を飛び交う飛行機の多さにうんざりすることに。日本では、人の出す音からはなかなか逃れられないですね。あの日のあの時、飛行機に対して最も嫌悪感を抱いていた日本人は自分だろうと思う(笑)





それはさておき、






ヒグラシを手に持ちながら、、「ヒグラシのオスを捕まえたらやろうと思っていたこと」を思い出し、太陽を探します。


このように日光にかざすと、透けてしまうくらいにスカスカスケスケの腹部。

ヒグラシのオスの腹部をものに例えるならば、紙風船だろうか。内部に広い空間をもつこの腹部を使い、繊細で涼やかなあのメロディを奏でます(YouTubeでヒグラシの鳴き声を聴いてみよう。ヒグラシの鳴き声はエンドレスに繰り返される勉強用・睡眠用のBGMとしてもアップロードされています)。
この腹部は触っても柔らかで、楽器として特化したパーツ。音を認識できる生き物は、毎年この音で涼やかな気持ちになっているに違いない。





おわり