セミの標本の作り方

「翅を開き、脚も整形したセミの標本の作り方」の紹介です。


2010年に採集したハルゼミ

・発泡スチロールに針でぐりぐりと若干大きめの穴を開けます。
・あらかじめ針を刺したセミを逆さまにして、先に開けておいた穴に、その針の頭をストンと落とします。
この時は硬めのビニルで翅を押さえ、針で固定しています。あとは、脚を左右対称に固定するだけです。セミは形が決まりやすい生き物です。



♂。注意することは、【1】針が発泡スチロールから垂直に出ているかということ&【2】真上から見て脚が左右対称に見えても、横から見たときにキチンと脚が揃っているか(下や上に行き過ぎていないか)、ということ。
こういう紹介をするときには、これではダメです!というダメ例も示さないといけませんね。この標本を作っている時(2010年夏)には他人に見せるつもりではありませんでした。手間はかかりますが、いつかトライします。



♀。後ろ翅は前の翅にひっかかってくるので、前翅だけをビニルや紙で固定すればよいです。




1,2週間乾燥させ、針を抜いたところ(完成)。♂。




♀。キラキラ光る短い銀毛が渋いです。





ハルゼミはこのくらいのサイズの小さな部類のセミです。





ハルゼミは鹿児島本土では一発目に登場するセミで、初夏に松林で鳴くので、見かけることは少ないと思います。吹上浜沿岸など海沿いの松林には多産します(鳴き声ばかりで採集は難しいけれど)。





おわり