いきいきとたくましく生きているマダガスカルの子供たち

向こうから・・・
ギャハハ!と笑い声がする・・・ジャバジャバ音もしてくる・・・

・・・あーぁぁぁ、そう。はいはい、こっちに来るのね。うん、わかった。。
「金、金!ジャッポーネ!」とうるさすぎてバオバブがじっくり撮れないから、私はこうしてわざわざに入っているというのに。あなた達は濡れることなんて全くいとわないんですね。また邪魔されるのか・・・ガッデム!

映画「ジョーズ」を思い出しました。ぐんぐん迫ってくるよ・・・

途中でごく自然に顔を洗っています。ここは雨季にだけ出現する池(泥水)だぞ!

迂回してくれば、さすがにそこ(胸)まで水に浸かりはしないんだよ?彼女らは、日本人には思いつかない選択肢をもっているのです。

なぜそんなにテンションが高いのですか??こわい。こっちサイドは私一人です。

笑顔の裏に潜む企み。もう私には解っているよ

へ〜い!おひさ!そういえば・・・一昨日も昨日も会いましたなぁ。

お金目当てってことは分かっているのだけど、一体何しにきたんだと思って彼女らを見てみると。
ん?そそそ、その手に持っているものって・・・

この2日前、私がやたらセミ(ピンディ)に執着し撮影しているのを見ていた彼女らは、知恵を働かせたのでしょう。私が木彫りのバオバブ(お土産)には全く興味を示さず、セミばっかり探していたのを知っていたのです。
「あいつはバオバブ買わない」「セミだ」と。「あいつはセミになら金払う!」と。
悲しいかな、正解だよ。今回はセミの異様な姿と数に、かつてないほど興奮してしまいました。

AAA−−−!!セミが大変なことに。こんなに大変なことになってるセミは初めて見た。セミの鈴なりなんて初めて見た。植物の茎で見事に貫ぬかれています。
この間近で写真を撮ったら金を要求されることは分かっていましたが、もはやビジネスは成立しておりました。要求されずとも払いたい気にさえなっていた。

セミの苦しげなピーピー音を聞いてみてほしいなぁ。また、右の女の子は歯で茎を噛み切っています。動作の一つ一つがたくましい。

動画の中で早々に5000Arを奪われてしまいました。5000Ar=200円しないくらいの額。私としてはこのやりとりがおもしろかったので、もう少し粘りたかったのですが、「写真撮らせただろ、金くれ!」モードに突入してしまった女の子たちはもう止まらない。一人ひとりに5000Arくれ!と言ってきかない。

あとで合流した右の妊婦(さすがに妊婦は湖を迂回してきた)は、「おまえらだけずるいぞ!」みたいなことを隣でぐじぐじ言ってました(たぶん姉)。

「あんたはセミを持ってきてないだろが!写真に写りにくるな!」と言って、横に行ってもらった、の画。あとで額は小さいけど、お金はあげました(出産祝い)。


***
そして彼女らは・・・



仕事をつつがなく終え、全力で走り去って行ったのでした。


お金は要求どおり5000Arずつあげました。水の中をばしゃばしゃさせながら来てくれただけで、こちらとしてはもう十分に笑わしてもらったしよかったのですが、少しだけじらしました。なぜならちょっと思いついたから。
「わかった。わーかった!金はやる。ただし、そのセミはもらうぞ!」
とこっちも要求。
するともう、ものすごい勢いでセミを押し付ける女の子たち。



そして、これが私の手元に残ってしまったピンディです。↓

ピンディの環。
翅のもげたセミがピーピー鳴いていて物悲しいです(笑)
ということで、少なくともこの地域ではセミを食べるようですね。セミを採るのは子供の役目のようです。



その数分後、噂を聞きつけ少年たちも泳いでやってきました(どうせ彼女らの弟とか従兄弟とか)。でももう彼らには金はやりませんでした(セミ持ってなかったしーーーー)。

***

そうそう!夜はレストランに行かなくちゃ!
そうです、「ピンディを調理してくれ!」と頼むのです。

マダガスカルニイニイゼミは一体どんな味がするんだろう。
・・・むっ!いやいや、その前に・・・果たして料理してもらえるのだろうか(日本のレストランだったら、間違いなく不可ですね。マダガスカルのレストランならって失礼でした)。
もし作るのを拒否された場合、私はピンディたちを一体どうしたらいいのだろうか。このまま乾燥させて首からぶらさげて日本に帰るべきなのだろうか。




まだつづく(長くてごめんなさい)
マダガスカルに行ったら、ピンディを食べよう - 虫村の日記