コチドリのヒナは本能に支配されている

工事現場にて。
50mほど先に、動いている3羽の小さなコチドリのヒナを見つけたので、すかさず気合いを入れて躊躇なく駆け寄りました。







・・・あれ?






飛んで逃げていないことは、凝視しながら駆け寄っているわけで、わかっている。
もちろん走って逃げていないことも、わかっている。
つまり、「いた」場所に到着した自分の、この半径数m以内には必ずいるはずである。
なのに、
なのに、
なのに、いない。
見つからない。


消えた?しかし、やや離れた場所で、コチドリの親がピーピーと鳴き散らしている。それはつまり、やはり自分はヒナと近い場所にいるということらしい。

これだけ条件が揃っていながら、、、小さい虫ならともかく、スズメ程度の大きさの生き物を見つけられないという現象に自分でびびりました。この難しさはこの遊びをやった人にしかわからないです。

そんなこんなしながら、ようやく見つけた1羽を紹介します(結局ねばっても残りの2羽は見つからなかったのです)。


これがみつからないのだ。まじで困惑します。

140623


ようやく見つけたこのヒナは動かない。徹底して動かない。ツンツンしても動かない。ひっくり返されそうになっても動かない。





目に頼っているであろう、猫や猛禽類にはこの作戦が有効なのでしょうね(見つかれば確実にアウトでも)。
世界には積極的に死んだふりをする生物もいますが、複雑で単純であっさりでじっくりで深いなぁ。
敵の襲撃に際して静止をチョイスする行動が遺伝的にプログラムされたもので、それがヒナの頃にだけ発現する。そんな遺伝子がコチドリという種を作った要因の一つ。
どれ程の失敗や成功や時間が積み重なってこのような人に本能と呼ばれるものが種や集団へ定着するのか。
タイムマシンがあれば、100年毎くらいに生き物の変化を追っていきたい。




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おわり