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バイト先に、ドバト(カワラバト)の幼鳥がやってきました。
玉利さん曰く「全然逃げないからそのまま荷物に乗ってきた」そうで、生き物係として呼ばれた私はそのハトを見てびっくり。
体を何かが這っていたからです。
ハエが3匹!
その内の2匹が交尾体勢に入っていたので、理解しました。まさかこんな場所で会えるとは。
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バイト後、ハトの「寄生虫(ハエ)」除去を行うことにしました。
5匹ほど見つかり、一安心。
5匹もに寄生されていたなんて!
問題のハエがこれデス↓
シラミバエの一種。体は平べったい。脚も横に出ている。こんな脚で、というか、こんな脚だからこそ?、ハトの体の上(羽の上)をスイスイとなめるように駆け回れます。横歩き、斜め走り、そして羽毛にスルスルルともぐりこんでいく様は、縦横無尽で自由で、非日常な動きがとても新鮮です。ただ、普段は羽毛の中にいて、ほとんど出てきません。最初ハトを見たときに体表面にいたのはものすごくラッキーでした。また、このハトもかゆいのか(シラミバエのせいでかゆいのか、羽毛の生え変わる時期でかゆいのかは分からない)頻繁に毛づくろいをするのですが、その際に羽毛上を逃げ回る様子も時々観察できました。
とにかく貴重なものが見られました。玉利さん&ハトっこさんありがとうございました。
しかし、話はまだ終わらず・・・
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ハトを逃がそうとしていると、ちらっとまたキャツが見えました。ばかな・・・まだいる?
ということで、もう少しハトにはお手伝い願うことに。大学へ輸送。
執念の捜索の結局、下の写真のような寄生状況でした。
さすがにたまげました。7匹あたりでもういないなと思っても、まだ触っていない部分の羽毛を触ればその中に潜んでいたり、別の場所の羽毛を触っているうちに、さっき触った場所に身を潜めていたり。
ちょこまかと逃げるシラミバエとのいたちごっこの末、計20匹。
シラミバエも結構大きいし、ハト自体のサイズからすると驚くような数ですが、これが普通なのか異常なのかはハトにきいてください。とにかく面白いものが見られてよかった。人間だったらこんなのが常時服の下に潜んでいてチラチラしていたら、発狂しますよね。
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最後に、シラミバエ採集のノウハウを紹介します。シラミバエは結構敏感で、ピンセットでの直摘みは効率が悪い。指がベストでした(指に痛みがくることはない)。
そして、今回のように生かしたまま採集したい場合、ジッパー袋の中に指を入れ、つまんでいるシラミバエを離しても、なんとシラミバエがそのまま指に掴まるために、袋の底に落ちません!やはり物に掴まって歩くことに特化しています。指を伝ってそのまま外に走ってきて飛んで逃げてしまうことが数回ありました(逃げたであろうものもほぼ回収はできたと思う)。そこで、指で摘んだものは一旦ピンセットで持ち直すのがいいです。袋の口を小さくしてそこからピンセットを深く入れて離すといい。
残った楽しみは、雌雄の判別ですね。交尾写真は撮ってあるのでまた後日。
110907 鹿児島市
タグ: ハエ 寄生バエ 蝿 鳩 2011年
おわり