おばあちゃんの知恵〜ぐるぐる巻きの赤ちゃん〜

インドネシアの片田舎に採集に行ったとき、現地でガイド(道案内&アリ採集のお手伝い)をしてくれたおじさんの奥さんが出産しました。そして、出産間もない晩に、病院にお邪魔させてもらいました。




夜の産婦人科




赤ちゃんは泣き喚いて、おばあちゃんがパンツ(布)を取り替えて、・・・とそこまではよかったのですが、そこからが初めて見る光景でした。
pばあちゃんが、かなり大きい布で赤ちゃんをぐるぐる巻きにしていったのです。





ハイ。赤ちゃんミイラ。



身動き不可能。頭まで固定!



「げぇ!インドネシアは赤ちゃんの扱いが手荒いな!!」「これは、ムスリムスタイルか!」とか思ったのですが、不思議なことに赤ちゃんが泣き止んで真顔に。なんだこの赤ちゃん、かわってるなーと思ったけれど、それ以上は気にならず、「赤ちゃんのときはそこまでは黒くないんだな」と思ったりしてました。




***あれから2年***


        

この件は記憶の片隅から消去されようとしていたのですが、
つい先日、NHKの番組で、「これで赤ちゃんが泣き止む」という特集をやっていて、同じようなぐるぐる巻きが紹介されていたのです。包まれているこの状態は赤ちゃんにとって、母親のお腹の中の状況に近い為に安心できる、といった内容でした。このやり方で、夜泣きが止む赤ちゃんも多いらしい、と。



遠い日の光景と繋がったよ。



あのおばあちゃんこれをやってたのか!
宗教上の慣習にせよ、赤ちゃんに対する経験に基づいたものだったのかぁ。(とはいっても、赤ちゃんを安心させるためよ!などと説明を受けたわけではないので依然として真の理由は不明ですが。)



テレビでの簡単な紹介だったため、難しい巻き方を紹介できないことは承知してますが、それと比較すると、このインドネシアのおばあさんの巻きスタイルは非常に見事なもので、日本の風呂敷包みのレパートリーの一つのような美しさがありました。

おばあさんと傍らに転がる赤ちゃん



しかーし、・・・ただでさえ暑いとこなのに、赤ちゃんの体温は大丈夫なのか.....と不安は抱かせるものですよね。
おしっこよりも汗が多く出るでしょう、日本人なら。インドネシア人は生まれたときから耐熱性を備えているのだろうか。



おまけ

腕に抱かれてるのがこのときの赤ちゃん。2年後の姿です(2010年)。
抱っこしてるのがお父さん。





おわり