インドネシアで採集したトゲアリの一種。
このアリは繭(まゆ)の中で蛹になるタイプです。
動画でこのアリたちが何にむしゃぶりついているのかというと、・・・同じ仲間の蛹です。
散らばっている白い棒のようなものは、蛹の触角や脚部です。
私が繭を破き、その中の蛹をワーカー(働きアリ)に返すと、な、なんと一斉にガツガツ食べ始めました。すごい勢いで。
アリが仲間だと認識しているのは、繭の外側の、うすっぺらい膜だけなのかもしれません。このことを確かめるために行った実験ではありませんでしたが、繭の中身の蛹を撮影していた結果こうなりました。非常に驚きました。
結果だけみれば、繭は仲間から身を守るものとも言えますね。
2010年8月4日撮影。
ワーカーは繭自体を非常に大切に扱います。しかし、その中身は仲間だと認識できていない。自然界では仲間の丸裸の蛹にお目にかかることがないといえばそれまでなのですが。中身(蛹)が羽化して、繭から出てくるときには攻撃は受けないはずでしょうが、どの時点から仲間と認められるのでしょうか(アリは体表面のワックスで、同じ巣の仲間かどうかを識別しているらしいです)?
最後に、いきなりバラバラにしながら食べていきましたが、その場でたいらげてしまおうと判断した、というのも興味深いことです(餌はその場で食べられるか、貯蔵庫へ運ばれるかの二択の道を辿ります)。
ちなみに、女王、♂、働きアリ、どの蛹も勢いよく食べられてしまいました。
これは既に知られていることなのでしょうか。面白いなと思いました。
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おわり